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とあるビルに四人の異質が足を踏み入れた頃。
そのビルの最上階から見渡すことが出来る大都市の南区に建てられた数十ある巨大な倉庫の内の一つ、そこに二人の少年が居座っていた。
「なぁ、ダイスケ」
赤い鉄骨に座って僕が正面の少年へ語りかける。
ダイスケは鉄骨から五メートル程離れた場所に置かれた、黒いソファーに胡座をかいていた。
この倉庫は役目を終えて、放置された倉庫で、もともとは今僕が座っている鉄骨以外何もなかったのだが、僕達が無断で居座り始めてから色々な物を持ち込んだ。
ダイスケの座っているソファも、その内の一つになる。
「なんだよ」
ダイスケがイヤホンを外して返答した。
声が届いていたことに少しホッとしながら、続きを語る。
「ダイスケも手伝ってくんない?
弾込めるの大変なんだよー」
言いながらも手を動かす。
右目を隠す茶髪が邪魔でしょうがない。
伸びすぎたな…前髪だけでも早く切ろう…
自分の手元に目線を落とすと、
長い前髪が視界を邪魔した為、ふとそんな事を思考する。
まぁ、セットしてるのは自分なんだけれど…
左手に持つのはアサルトライフルのマガジン。
右手には弾薬。
この前の“悪魔”から拝借した
M16のマガジンに弾を込めているのだ。
そもそも使うのはダイスケなのにさ…
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