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「起───、───ろ、」
誰かの声がする。
まどろみの中でそんなことを考えた。
身体中が焼けるように痛い、脳内麻薬が切れたからだろうか。
「───ないと……
削ぐぞ。」
「起きた!!」
今の何!?あと少し寝てたら命の危機を感じたよ!?
「あ、あれ……ユート?」
「おう、やっと起きたか。
しかしまさか柄杓津波を使うとは思わなかったぜ、おかげで肝が冷えた。」
「ははは、驚いた?いてて……」
笑ったら脇腹が軋み、悶絶してしまった。
「んなもん後で保健室にでも行けばいいさ、それよりも今は凱旋だぜ。」
ユートは僕を無理やり立たせると、しんと静まり返ったコロシアムを見渡す。
そして大きく息を吸い込むと……
「明日の朝刊!!お楽しみに!!!」
「うぁうあ。」
すぐ近くで大声を出されたせいで耳がキーンとするよ……。
「さてクイントーヴァ女史、俺達は保健室に行くので。」
「あぁ。
……全く、このような派手な行いは自粛しろ。」
「おいおい、これに限っては俺は被害者だぜ?」
そんな会話をしていたユートとクイントーヴァ先生、会話を終えると先生は中央に立ち、
「この決闘、ユート=トキザミとルクリウス=クランノットの勝利とする!!」
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