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外大陸調査団団長、その単語を聞いた教室内は一瞬静まり返ったが次の瞬間、大歓声に沸いた。
外大陸調査団、それはユートの言っていた王立騎士団の中でもさらにエリートのみで構成された超、超エリート集団だ。
この世界、正確には僕達人類は一つの大陸に暮らしている。
だけどこの世界、フィンドメリアスは僕達が住まう大陸を囲むようにさらに大きなドーナツ状の大陸があるのだ。
そこを調査するのが外大陸調査団、彼等は全てが謎に包まれている外大陸で危険と隣り合わせながらも様々なものを持ち帰ってくれる。
最近、第七回調査を終えたってニュースが流れてたけどその第二外大陸調査団の団長が来るなんて!
「シュード=キングズトーンです。
今日は特別講師を依頼され、この学園に来ました。
今日はよろ……よろしく。」
教室を見渡していたシュードさんが僅かに固まった。
だが一瞬後にはすぐににこやかな笑みを取り戻した。
どうしたんだろうか?
彼が見ていた方を見ると、
そこには新しいおもちゃを見つけたかのようなユートがいた。
「他のクラスにも外大陸調査団の方々が来ている、このクラスはシュード……さんだ。」
「じゃあ……質問を受け付けようかな。
そっちの方が僕的にも進めやすいからね。」
途端に幾つも挙げられる手、手、手。
「ええー、じゃあ君。」
指差された女子生徒が立ち上がる。
「あのっ、外大陸ってどんな場所でしたか!?」
「そうだね……未開の地、というのが一番しっくりくるかな。
あと基本的に全部大きい、人間と同じ大きさの蟻の群れを見た時は驚いたよ。」
その答えに教室がざわめく。
「人よりでかいGとかな」ボソッ
「え?何か言ったユート?」
「いやなーも言っとりゃあせんよ?」
気のせいかな?
そう考えているうちにもシュードさんは質問に答えていく。
「じゃあ調査中に危ない目にあったこととかは?」
「寝ても覚めても油断してはいけない、そんな感じだったね。」
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