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そして、ゴキノコの咆哮に応えるかのようにダイヴァンガーとスランザイダーが動き出す。
先手はゴキノコ。
口であろう部分から吐き出されたゲロビームをダイヴァンガーは少し体をずらして回避、そのまま下段から斬艦刀で斬り上げる。
下方から上方にかけて斜めに断たれたゴキノコだったが、断面から伸びる肉の触手がすぐに修復してしまう。
だが、ただでは修復させない。
飛び退くダイヴァンガーと入れ替わるように踵部のホイールをうならせ建造物を破砕しながらスランザイダーが前へと出る。
腰に装備された二門の砲に腕を接続、肘から先が砲の中に組み込まれる。
『ぶっ飛べ!!』
二つの轟音が重なり、圧縮魔力の砲弾が修復中のゴキノコの傷口に刺さる。
『ギノォオァァァァァ!!?』
傷口をさらに抉り、尚且つ断面を焼くことで修復度合いをリセットかつ修復速度が明らかに減速する。
『おいおいおいおい!木偶の坊かよぉ!その程度かゴキノコさんよぉ!!』
「ギノガァァォ!!」
ゴキノコが短く、だが怒りを込めた咆哮を上げた瞬間、全身から触手が生え、一斉にダイヴァンガーとスランザイダーへと襲いかかる。
『数がどうした!』
『今の俺らは無双モードだぜ!』
が、届かない。
ダイヴァンガーが乱舞し触手を斬り飛ばし、斬り離された触手が再生する前にスランザイダーの砲弾が塵も残さず消し飛ばす。
『断ち斬れ斬艦刀!!』
触手の猛攻をくぐり抜けゴキノコの眼前にダイヴァンガーが肉薄する。
『引っこ抜いてやんよゴキノコォォォォォォ!!』
操縦者が吠えると同時に斬艦刀に変化が。
確かに巨大ではあるがダイヴァンガーと比べて相応の長さだったそれが文字通り「大きくなった。」
全体的に伸び、太く、肉厚になる。
片刃だった筈の刀身は拡大と同時に両刃となり、文字通りダイヴァンガーの身の丈を越えんとする巨大な剣となった。
『我が名はユート=トキザミ!アーヴァーンの剣!!』
そのままダイヴァンガーは刀身の腹をゴキノコに叩きつける。
斬るのではなく、叩き、押し千切る。
「ギノゴギィヤァァァァァ!!?」
地面に深く伸びていたゴキノコの触手が無理やり引き抜かれて行く。
そして、
『ホーーーーーッムルァァァーーーーーーーーーーーン!!!!!』
80mに届くであろうゴキノコの巨体が大地より引き抜かれ、飛んだ。
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