第一章

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『いやいや!記憶を消すって!?』 「はい。 このことは内密にしたいのです。」 『それに陰陽師…?』 陽太のことがもちろん心配だが、どうしてもこの言葉が気になった。 「それは車の中で…」 『分かった。』 なんとなくだけど…この人は信じていいのかもしれない… 「ありがとうございます。」 やんわり微笑むと月乃の手を取って車まで誘導する。 『うわぁ…』 車の中は、とても広くて綺麗だった。 執事の男も乗るとゆっくりドアが閉まって発進した。 「さて…一体何から話しましょうか…」 『う~ん。 まずは貴方の名前が知りたいかな?』 「すみません。 名乗るのを忘れていました。 私は神崎恒【カンザキワタル】と言います。」 『えっと…神崎さん?』 「はい。気軽に恒と言って下さい。」 いや…流石に下の名前を呼び捨ては… 『う~ん。じゃあ、恒さん?でいいかな?』
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