第一章

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おかしい…まるで私の声が… 月乃は、ゆっくりと男に手を伸ばす。 しかし触れる寸前… ブワッ!! 月乃を更に深い闇が包む。 『きゃぁぁあ!?』 苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい!! 誰かぁ!! 月乃は男に手を伸ばす。 しかし… 「なぜだ…」 穏やかな顔は一変して恐ろしい形相になる。 「なぜ、俺を裏切った!! 許さない!!お前だけはぁぁぁ!!」 『!?』 あれ…?なんだろう…凄く悲しい気持ちに… 「ぐわぁぁぁぁあ!!」 苦しみの叫びが辺りに響く。 『ち、違うの!わ、私は貴方を裏切ってないよ!! だから!』 そこまで言った時、男は消えた。最後に憎しみの眼差しを残して… その途端、月乃を覆っていた闇が消えた。 次は広大な荒野が出現した。 『さっきのは…?』 男を捜すがもう何処にもいない。 そのかわり…茶髪の青年が立っていた。
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