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「和弘遅くね?」
つかさは軽い声で言った。
バスケットボールを持っている右手には、しつこく聞かされた彼女のミサンガがついている。
水色と薄い緑。よく分からん色合いだ。
「あいつ今日は来ねえよ」
つかさの右手からボールを奪い取る。
バスケのときもそうだが、こいつからはすぐに取れるから楽だ。
「あっ、ちょ、せこいって」
マークも何もない。追いかけてきたつかさも動きが遅い。
フリースローだな、これじゃあ。
いつもそうだが。
打ったボールは綺麗にゴールに入った。
いつも通り。
「なんで来ないの?」
つかさは舌打ちしながら、ゴール下にボールを拾いにいく。
「今日っつうか、一ヶ月は遅くなるって」
「ああ、もうそんな時期かー」
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