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ボールを指の上で回そうとして、失敗するつかさ。
「一ヶ月ねえ。暇になるな」
俺は頷いた。あいつがいないと放課後が詰まらん。
「なあ、和弘いない内に二人で旅行しようぜ」
「はあ?」
「どうせあいつ向こうにかかりっきりだろ? じゃあこっちはこっちで思い出つくってやろうぜ」
「何がじゃあだよ」
つかさの言うことにはいちいち呆れる。
その突拍子のなさに。
「いいだろ。男二人旅。ロマンじゃね?」
「むさいだけだろ」
つかさは俺の目をすがるように見てきた。
気色が悪い。
「裕紀ちゃん、もしかして俺のこと嫌い?」
「少なくとも人の名前をちゃかすやつは嫌いだが」
ズボンのポケットが振動した。
手を突っ込んで携帯を取る。
「おっ、誰誰? 女の子?」
「お前そればっかだな」
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