1,4堂島裕紀

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ボールを指の上で回そうとして、失敗するつかさ。 「一ヶ月ねえ。暇になるな」 俺は頷いた。あいつがいないと放課後が詰まらん。 「なあ、和弘いない内に二人で旅行しようぜ」 「はあ?」 「どうせあいつ向こうにかかりっきりだろ? じゃあこっちはこっちで思い出つくってやろうぜ」 「何がじゃあだよ」 つかさの言うことにはいちいち呆れる。 その突拍子のなさに。 「いいだろ。男二人旅。ロマンじゃね?」 「むさいだけだろ」 つかさは俺の目をすがるように見てきた。 気色が悪い。 「裕紀ちゃん、もしかして俺のこと嫌い?」 「少なくとも人の名前をちゃかすやつは嫌いだが」 ズボンのポケットが振動した。 手を突っ込んで携帯を取る。 「おっ、誰誰? 女の子?」 「お前そればっかだな」
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