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「男は誰だってそうだろ」
「お前ほど極端じゃねえよ」
スマホを起こしてメールボックスを開く。
メールは朋からだった。
古室朋、俺らの友達で美術部の部長。
身長も気も小さい、おとなしめの女子だ。
「あー、すまん。俺今日帰るわ」
「え、マジで女? 堅物の裕紀が?」
「堅物言うな。朋からだようるせーな」
「ああ、なんだ。朋ちゃんか」
あからさまに落胆するつかさ。
「ホントに最近よく話してるな」
「まーな」
メールを返信してつかさに言う。
「今から美術部行くけど一緒にくるか?」
「あー、和弘の邪魔しに行こうかな」
「やめとけ。あいつ絵ぇ邪魔するとすげー嫌な顔するから」
つかさは詰まらなそうな顔をした。
「だよな。あそこの後輩イジメようかな」
「朋が怖ぇよ」
「そうか、嫌われたくねーしやめとこ」
つかさはバスケットボールをつきはじめた。
「彼女んとこいけよ」
俺がぼそりと言うと
「それだっ!」
と急に元気になりだした。
単純なやつだ。脳みそスポンジで出来てんじゃねえの、と言いたくなる。
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