1,4堂島裕紀

4/7
前へ
/72ページ
次へ
「男は誰だってそうだろ」 「お前ほど極端じゃねえよ」 スマホを起こしてメールボックスを開く。 メールは朋からだった。 古室朋、俺らの友達で美術部の部長。 身長も気も小さい、おとなしめの女子だ。 「あー、すまん。俺今日帰るわ」 「え、マジで女? 堅物の裕紀が?」 「堅物言うな。朋からだようるせーな」 「ああ、なんだ。朋ちゃんか」 あからさまに落胆するつかさ。 「ホントに最近よく話してるな」 「まーな」 メールを返信してつかさに言う。 「今から美術部行くけど一緒にくるか?」 「あー、和弘の邪魔しに行こうかな」 「やめとけ。あいつ絵ぇ邪魔するとすげー嫌な顔するから」 つかさは詰まらなそうな顔をした。 「だよな。あそこの後輩イジメようかな」 「朋が怖ぇよ」 「そうか、嫌われたくねーしやめとこ」 つかさはバスケットボールをつきはじめた。 「彼女んとこいけよ」 俺がぼそりと言うと 「それだっ!」 と急に元気になりだした。 単純なやつだ。脳みそスポンジで出来てんじゃねえの、と言いたくなる。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加