1,4堂島裕紀

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「何描いてんの?」 校舎を出て駐輪場に向かう途中、朋に聞いた。 「一応、天使のつもり、だったんだけど」 朋は上目遣いで見てきた。 「やっぱりか、上手いよな」 自転車の鍵を開ける。 朋は歩きらしくついてきている。 「ありがと」 「おう」 ハンドルを握りスタンドを蹴る。 「乗ってかね?」 「だ、駄目だよ。二人乗りは」 「いいから」 俺達はぎこちなく話を続ける。 手探りで、何を話していいかも分からずに。 おう、とか自分で言っているが結構恥ずかしい。 すかしてるんじゃねえよ、俺。 俺が荷台をとんとんと叩いていると、朋は仕方がなさそうに座った。 後ろから制服を掴まれてどきどきする。 変な顔になってないだろうか。 確認できないのでかなり心配だ。 ペダルを漕ぎ出すと、自転車はゆったりと走り出した。
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