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放課後、重たい足取りで歩いていると、のろまな一台の自転車とすれ違った。
「え、あれ」
いや、見間違いでしょ。もう授業終わってるし。
振り向くと、その自転車は学校の前の横断歩道で止まっていた。
乗っている人の顔をじっと見る。自転車のカゴを確認する。
中にはたくさんの画材。
「はあ」
思わずため息。
「和弘っ!」
私は大声であいつの名前を呼んだ。
「おー、愛子」
和弘が私を見た。私はカバンを抱えたまま走りあいつに近づく。
「何で走ってん、いった!」
そしてカバンを和弘の頭に振り下ろす。鈍い音がした。
「学校休んだの?」
興奮が冷めないままだったので、詰問のような口調になった。
「いや、ちょっと、その前に暴力の説明を……」
信号が青になる。
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