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仕方なく駐輪場に自転車を置かせてもう一度尋ねる。
「なんで休んだの」
駐輪場まで歩いている間に冷静になると、カバンは少しやりすぎたかもしれない、と後悔した。
「学校にはちゃんといたって」
「うそ。目が泳いでる」
「いやー」
和弘はこめかみを指でかいた。
こいつの癖だ。何かを隠している時の。
「言いたくないこと?」
「ああ、まあ」
「絶対?」
いつもボーッとしている和弘が、珍しい言葉を使った。
「まあ、絶対、だと思う」
声音も心なしか、真面目だった気がする。
「そっか、じゃあ……行ってもいいよ」
「お前、どんな立場だよ」
和弘はカゴから画材の入ったビニール袋を取り出した。
たくさんの画材を持って歩いていく背中。
優柔不断な和弘の使った絶対。
何を隠しているのか、何で隠しているのか。
私には分からない。
胸のどこかがもやもやした。
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