いち

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誕生日に何が欲しいかと聞かれて。 僕は野球のグローブと答えました。 そしてそれからしばらく僕は。 そのグローブを持って夕方の公園に座っていました。 グローブにわざと不自然でない傷をつけたりしながら。 僕には欲しいものなんてなかったのです。 クラスのこがグローブをもらったと喜んでいたのを見ていたから。 そう言えば変じゃないんだと咄嗟に口から出ただけだったのです。 僕はただ自分の部屋でじっとしていたかったのです。 理由なんてどこにもないのです。 そして僕はそのまま成長して。 そのうちに病院に通うように言われたので今でも通っています。 きっと良くなる。 治さなければいけない。 治す努力をしなければならない。 じゃあこの僕という存在は、いったいどういう存在なのでしょう。 僕は別に苦しんでも困ってもいません。 こういう風に生まれたのです。 なぜ気の毒そうに接されなければならないのでしょう。 あの頃のグローブと公園の様に全ての事に対応すればよいのでしょうか。 そんな事は不可能だと思うのです。 ちっとも欲しくもないモノの為にやりたくもない事を一生やりつづけろという事でしょうか。 僕が思うにその方がよっぽど気が狂った人間だと思うのです。 。
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