早起きはちょっとお得。

2/6
前へ
/13ページ
次へ
4月7日、始業式。 わいわいがやがや、と玄関前では皆が騒いでいる。 (...クラス発表、か。) 「おーいッ!!!ヒナ氏、早朝からフキゲンですなぁ」 「...んぁっ、瑠璃~っ!おはよ。混みすぎててクラスわかんないし...先行きたくても行けない状況なの」 「あ~、ま、とりあえずオハヨー。うん、あたし多分5組確定だから!ヒナ氏は1組でしょ?...ここのガッコ、成績順じゃん?」 「だいたいね...成績でクラスを.....ってあんたねぇ!!ちょっ、るーーーりーーーー!!!」 叫ぶヒナをよそに、瑠璃は走り去っていった。 (っもう、瑠璃のヤツーーー) 「帰りに仕返ししてやるかんなあああああっ!!」 と女性らしからぬ言葉を放ったヒナは少し後悔した。 なぜなら目の前には可愛らしいお人形さんみたいな娘が、うるうる瞳で何か訴えているではありませんか。 「あ、あはは。ごめんね?あたし大声出しすぎちゃったかな?」 「いえ...」 少女は顔色変えず言った。 その後、こう続けた。 「...ぅ、あの、あなた、す、すすすスカートが、捲れて、あっ、あの、みえています...よ....」 ? 可愛い顔して意外と毒舌パターンか!? しかし、理解に時間はかからなかった。 なぜなら 「さ、さっきから後ろがスースーしてるなーとは思っていたの。ありがと」 自分自身で、勘づいていたからだ。...瑠璃の仕業だと。 「うふふ、よくありますよねっ。鞄でスカート捲っちゃうこと...」 と、その美少女は天使の様な微笑みでその場を去った。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加