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「泣かないで泣かないで。かりの、意外と席近いね。斜め後ろあたしだよ~」
「あはは...ほんとだっ...ち、近いですね」
「改めて、だけど、よろしく」
ヒナは手を差し出した。
ぎゅ....っ
お花の香りがする
「かりの....?」
彼女は抱きついていたのだ。
「あー恥ずかしいよぉ~!かりのーっ」
「んんっ...香梨乃、しあわせなのです!ヒナ様のおムネの中ですっ...ぉ、おっきいです」
「あっ、やっ、いやっ」
胸を攻められ、ヒナはとたんに弱気になる。
「香梨乃、ヒナ様に喜んでもらえるなら、なんだってします」
「やっ、あん....もう、またあたしの胸を育てるつもり!?」
「また...ですか?」
「っあ、いや、男にやられんの!あ、あたしもソコソコもてんのよ...」
(瑠璃に、なんて言えない)
「あぅ~。嫉妬ですぅ」
「あっ、いまは男なんて散々よ」
「あぅ~。」
「あ、ごめんねっ...つい、強気に...」
「うふふ♪ヒナ様ってかわいいです」
「?」
「む、胸とかおっきいですし、スタイルいいですし、髪の毛サラサリで、それに....」
ヒナは驚いた。いままで憧れの的になった事など無く、むしろ自分が他の人に強い憧れを抱いていたというのに。
「ありがとう」
なんだか、嬉しかった。出会って1日目の、幸せな気持ち。うかない1日ではなかった。そんな1日。
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