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「やっぱり自転車通学の申請しようかな」
校舎までの道を凛花がそうつぶやきながら歩いているのが聞こえた。
「でも、申請面倒だし結局駐輪場からも結構な距離があるよ。しかも私たちの家って自転車通学範囲内だっけ?」
「う……」
高等部の駐輪場は大学の裏側に大学と共同で使用するという事になっている。
大学の学部も巾が広く研究棟や授業棟などの教室が多く用意されており、更にはサークル活動用の別棟まで完備されている。
高等部の裏に大学……という事を考えると入り口の大門から幼稚舎、初等部、中等部と並んでいる所よりかは近いように感じそうだが、実際大学の敷地面積はこれらを軽く上回る広さを誇っている。
よって、自転車通学の方が遠かったりする事から家から大門までの距離が遠い生徒しか申請をするものは居ない。
それに、私達の学区は学校まで徒歩10分とそれなりに近かったりする。
「ほら凛、校舎見えたよ」
「あ、ほんとだ!」
そう言うが早いかまた凛花は校舎に向かって走り出し、「ゆう、早くー」といって校舎の中へ入っていった。
少しは落ち着くという事が凛花には無いようだ。
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