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「あ、ゆう。遅いよー」
今度は足を速める事無く校舎の中へと入っていくと先に入ったはずの凛花が下駄箱でまだうろうろしていた。どうやらどこが自分の下駄箱なのかが分からないみたいだ。
「えっと、どこに靴入れたら良いの?」
当たり。
下駄箱の上にはご丁寧に学科とクラスの書かれた紙が貼られている。多分凛花はそれを見ていないのだろう。
「凛、私達の学科は?」
「え。理数科」
「クラスは?」
「えっと……Aクラス!」
「じゃ、この目の前の下駄箱に書かれているこの文字は?」
「理数科/Aクラス……あ」
よりにもよって自分のクラスの下駄箱の前でうろうろと探していた。
本当にこんなので試験をパスしているのだから少し信じがたいものがある。
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