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えへへー。と言いながら自分の名前のプレートが貼られた下駄箱の蓋をバコッと開け、履いていたローファーを中に入れて持って来ていた新品の上履きを鞄から出して踵を潰して履いた。
「さ、ゆう。教室行こー」
「ちょっと凛……踵踏まないで」
見た目が悪い。と私が言うと渋々靴をちゃんと履き直した。
細かい事がどうしても気になる性格で凛花や周りの友達にはお母さんみたいだ。と言われたりもよくする。
「これで良い?」
「ん」
1年の教室は玄関から比較的近く、入ってすぐ右手には職員室や保健室の他に実験室などの一般授業以外で使用する研究棟があり、左手には1年の教室棟になっている。
学費の高さで有名なこの学校だが、学科数、クラス数が多い事でも実は有名で、高校は各学年ごとに教室棟が用意されている。
玄関から近い所に1年の教室棟があり反時計回りに2年、3年の教室棟があり正方形の形を作っており、建物の真ん中に穴があいている状態になる。
理数科Aクラスはその中でも最も近い教室棟に入ってすぐの所に作られている。
「あ、教室!」
それだけ言うと凛花は教室へ駆け足で近寄りガラっと扉を開けると「おっはよー!!」と元気よく挨拶をして教室へ入っていった。
……初対面の場所であれだけ勢い良く入れる人も珍しいと思う。
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