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教室に入ると黒板に貼られた席が書かれたプリントを凛花が先に確認していた。
「ゆう、私達席離ればなれだよー」
教室に入って来た私を見るなり「ざんねーん」とでも言いたげに口をへの字にに歪ませてそう伝えて来た。
普通に考えてもカ行とハ行の名字の席が近くなる事は難しい。
各クラス少人数性を唱っているいるこの学校では全てのクラスが20人と少なめの人数に平均的な学校の教室の2倍の広さを持ち個人個人の机は通常よりも広い机が用意され、隣同士の巾も人数が少ない分広めに取られていて1列5人の4列で机は配置されていた。
ア行の人間がそれなりに居たのか凛花は2列目の一番前の席。
ハ行以降が居なかったのだろう4列目の一番後ろという位置。大概渡辺とか山崎とかそう言った名字の人間がクラスに1人くらいは居るから中々名前順に並んで一番後ろになった事は無かったので新学期や入学直後でこの位置というのはなんだか新鮮味がある。
理数科という事もあっての事だろう、20人と少なめのクラスの男女比は男子の方がぱっと見でも明らかなくらい多い。
凛花と私を含めてこのクラスには女子は7名の様だ。
そしてその私達以外の女子は3列目と4列目の後列に集中しており、凛花の周りは男子に囲まれて私の周りは女子に囲まれるという正反対の環境になっていた。
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