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黒板の前で凛花がぶつくさと言っているとチャイムが鳴ると同時に担任と思われる小柄な女性が教室に入って来た。
「はい、席確認したら自分の席に着いてねー」
黒板の前に立ったままだった私達の頭わざわざ一段高い教壇に乗ってから出席簿の様な薄い冊子でポコポコと軽くたたいた。
「はーい」
そういって、凛花と私は各々の席に着いた。
「はい、じゃあ全員居ますね。私はこのクラスの担任を務めさせて頂きますクサナギです。詳しい自己紹介は式が終わってからしますね」
ぐるりと教室を見回して席に人が埋まっているのを確認すると一通りの言葉を少し緊張気味にいって手に持っていた冊子を落ち着き無さげにトントンと鳴らしている。多分担任持つのが初めてとかなのだろう。
落ち着き無くピンクの腕時計を何回か確認した後に、再び口を開いた。
「さ、もう時間になるから会場に向かいましょうか。入場は席順のこのまま4列で入って一番奥の一番前に座ってください。あとは一同起立とかアナウンスが入るからそれに従ってもらえば結構です」
そう言うと廊下に出るように私達を促し全員出て来たのを確認すると「こっちです。全員ちゃんと来てね」と言うと一度も振り返らずにどんどんと会場へと進んで行った。
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