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入学式自体は至って平均的なものだったように思う。
入場して各クラスの人間が一人ずつ呼び上げられて返事をするお決まりなものもあったりでまあ、この辺りはお金のかかる有名私立。
聞いた事ある会社の御曹司や令嬢なんかも居たりして会場が時たまざわついたりもしたがそれ以外は至って普通。
有名な会社の社長や会長……多分金銭的なもので特に学校にご尽力賜った御偉方だろうと思える人たちの退屈という言葉が最もお似合いな長々とした祝辞と学校の校長と理事長のこれもまた長々とした話を半分寝ながら聞いて聞き覚えの無い校歌を先輩達が歌っているのを聞いて会場から退場。
また朝と同じ教室へと戻って来た所。
教室の後ろには朝は会場で先に待機していた生徒以上に着飾った母親達が並んで居る。
こういった光景は流石私立と言いたい。
自分たちの服装や装飾品の高級度で自分たちのレベルをひけらかして案に牽制をしているのだろう。
子供そっちのけ。というか子供も装飾品と一緒なのかもしれないな、こういう人たちに取っては。
私達の目の前には朝教室に入って来たあの小柄な女性が教壇の上に立っている。
背は150センチあるかないかと言った所。暗めの茶髪にふわふわのパーマの掛かったボブのヘアスタイル、顔も童顔で色素が少し薄いの瞳の色は赤みがかった茶色と少し珍しい。
大きな目のお陰もあってか黒くない事は一目で分かった。
体系もお子様体系……と言ったら本人は怒りそうだが何とも残念な感じ。
多分私服で歩いていたら余裕で未成年に見える。今はスーツを身にまとっているが着ているというよりもどちらかと言えばスーツに着られていると言った方がしっくり来そうだ。
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