暗く狭い部屋

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真っ暗で狭い部屋。 部屋の内側に取っ手は無く、内から外に出る事は出来ない。 部屋の外には男が二人とあまりにも頑丈な鍵がかけられている。その扉の向こうに微かに足音を聞く事が出来る。 時を置かずして扉に掛けられた鍵を外す音がし、太い扉がわずかに開いた先に幼い少女が善を持って部屋へ入ってきた。 「……姉様、お食事をお持ちいたしました」 あぁ、朝になっていたのかと目の前に置かれた食事を目の前にして思う。それを思うだけで真っ暗な部屋に閉じ込められるだけの日々で腹が減る、という事はあまり無く最近は妹が運んできてくれた食べ物に対して一向に興味すら湧かなくなってきた。 「あの……姉様、お願いですのでお食事をお取りになって頂けませんか……もう、10日です。お腹が空かれた事かと思いまして……ほら、姉様のお好きな物を作らせたのですよ」 ただ目の前に置かれた食事を眺めるだけの私に痺れを切らしたのか善を挟んで向かい合って座っていた妹が焦ったように私に話しかける。 膝に置かれた手は握りしめるようにしており、顔は心無しか強ばっていた。 好きな物を作らせたと言ったが私は好きな食べ物など無い。
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