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開いた扉の向こうからはもう登りきった朝の日差しが真っ暗な部屋の中にも差し込まれてくる。
暗い部屋で一日のほとんどを過ごす私にとってはその日差しにはあまりにも強く、思わず目をしかめてしまう。
善を持って外へと出た柚生はくるりとこちらへ向いた。
「では、姉様。また夜にお伺いいたします」
そう言うと扉はゆっくりと再び閉じ、頭を下げた状態の妹の姿もそれとともに少しずつ暗闇へと消えていった。
扉が完全に閉められると再び鍵が閉められ扉の前で頭を下げていた妹が立ち去って行く音が微かに聞こえる。
足音がしなくなれば退屈した門番の会話がぼそぼそと時々聞こえる意外はただひたすらに広がる闇に世界の終わりを望むばかりだ。
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