視線

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「すごい桜だ…」 俺は思わず呟いた 校門から校舎の入口まで続く道にはたくさんの桜の木が植えられ花びらで埋めつくされていた この光景が桜花台高校の春の風物詩だった 桜花台高校は有名大学進学率トップで県内有数の名門校 「桜」を基調とし、校内のいたるところに桜が植えられている 俺はこの桜に魅せられ…というかっこいいものでもないが 心を奪われ、絶対に入学したいと思った 親は学費などの問題もありあまり良い顔をしなかったが 俺は必死に勉強し、ついに合格することができた そんなことを思い出しながら入学式の会場である体育館に向かって歩いていた 体育館に来たとき、ふと視線を感じた しかしその視線を感じても不思議と嫌な気分にはならなかった それどころかなぜかいとおしささえ沸き上がってきた 視線に、だ 「何思ってるんだ…気のせい気のせい」 そう声に出し俺は体育館に入った
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