物陰の小隊たち

1/10
前へ
/11ページ
次へ

物陰の小隊たち

「おーい!さっさと起きる!ヒデアキ!」 …朝か。今日もいつもどおりの朝。 「少しは急いで!朝礼が始まるよ!」 声の主が少し高めの声でそういうと、俺はのそっと毛布から抜け出し、準備を始めた。 ベッドの近くに干してある替えの軽装軍服(右胸元に白で6と描かれたブラックのシャツと、背中に黒で神とプリントされた緑のジャケットを羽織り、ポケットがサイド、太もも、臀部に合計6つある緑のカーゴパンツ)をそれぞれ引き寄せた。 カーゴパンツとシャツを着て、ジャケットを手に取ったとたんに、先ほどの声の主が俺の手を引いて走り出した。 「うぉわっ…」 「ヒデアキ!あと5分なんだ!早くいくよ!」 声の主は部屋のドアを開けて外に出た。 外を見ると、12人の男女が軽装軍服を着て、休めの体勢で一列に並んでいた。 俺と声の主は慌ててその端に並んだ。 俺は一番端で改めてジャケットを着て、夢の続きを考えながら後ろ手を組んだ。 その後すぐに、俺たちの出てきた部屋ではない、目の前にあった部屋から軽装軍服の女性が出てきた。 歩いてきて、ちょうど列の中心らへんをとり、5歩分ほど離れたところで止まった。 彼女は、いつものごとく声を張り上げた。 「6番隊!礼!!」 一斉に、俺たちの列の全員が45度の礼をした。 俺たちは神様に使える6番小隊。 今日も任務漬けの一日が始まるのである。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加