2098人が本棚に入れています
本棚に追加
/1074ページ
(この人、今“珍妙(珍しくかわってるもの)”って言おうとしたよね??
普通に制服だよね?
珍しい……かなぁ?)
「あなたこそ、どうして着物を着ているんですか?」
「どうしてと聞かれても…町のみんなは着物を着ているようだけれどね。もちろん、私も」
「え!?」
襖を開けて見てみると、抹茶や甘い香りがさっきより強くなった気がした。
それと同時にさっきから聞こえていた話し声も大きくなった。
どの人も、普通の服じゃない。
洋服じゃなく、全ての人が着物だった。
「あれ……?ここはもしかして映画村ですか?」
(映画村なら、こういう風景はあるはずだよね?
なんというか……江戸時代にいるような……)
「映…画…村?そんなものはここにはないよ」
(うそ………どう言うこと??)
嫌な予感がしてきた。
この世に起こることの無いことが起きているなんて。
「あの……すいませんが……今は何年ですか?」
「今は文久四年だが……どうかしたのかい?」
「ええ!?!?」
(文久四年!?
本当に江戸時代!?
そんなはずないよ!!)
その嫌な予感がだんだんと確信になってくる。
「それは年号ですよね?今は平成ではないんですか?」
「“へいせい”って…一体何なんだい?」
「え……?」
最初のコメントを投稿しよう!