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質問をする度に返ってくる答えは江戸時代のことばかり。
昨日夜更かししながら読んでいた教科書なんて意味は無い。
それ以上のことが彼の口から出てくるのだった。
その上、朝だったはずなのに、外が暗くなっている。
「そうだ……神社は!?神社はどこにあるんですか!?」
(私は神社からここに来たんだ!
千年樹に触れたら…突然地震が起きて…)
不意にここへ来る直前のことが思い出された。
千年樹が私に語りかけた言葉を。
千年樹から発した光を……
「神社?君が倒れていた所には神社なんてものはなかったが…」
(神社が…ない!?うそ…そんな……私の家は?学校は?
お父さん、お母さん……七海は?)
何も無かっただなんて、そんなことはおかしい。
確かに私は千年樹の樹に躓いて、そのから気を失ってしまった。
でも、気がついたら神社がなくなっているだなんて、そんなことがあり得るだろうか。
さらに私は、あるはずの物が無いことに気がついた。
「私のカバンは…!?あのっ!私のカバンしりませんか!?」
「か、ば、ん…?」
「~~!!あ~もぅ!袋です!黒い袋みませんでした?」
「黒い袋……?もしかして、これのことかな?」
「あっ…私のカバン…!!」
私は男の人からスクールバックを受け取って、中身を確認し、すぐさまスマートフォンを取り出した。
「何だい?それは……。」
「携帯電話です!」
「けいたいでんわ?」
「これで、遠くの人達と連絡をとることが出来るんです!」
慌ててスマホを確認する。
画面をスライドさせて、七海に電話をかけて見た。
『只今、電波の届かない所に…』
……繋がらない。
慌てて電波のアンテナを見てみると、
「えっ………?」
(圏外!?!?電波が……………ない?どう言うこと…!?)
連絡手段は途切れていた。
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