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ー桂sideー
「困ったものだ……」
私は今、池田屋と言う旅館に来ている。
今日はこの場所で会合があるのだ。
「私としたことが……情けない……」
会合は亥の刻(二十二時ぐらい)だというのに、戌の刻(二十時ぐらい)についてしまったようだ。
亥の刻までまだ十分に時間がある。
その上、まだ宮部くん(宮部鼎蔵)や吉田くん(吉田稔麿)たちもまだ来ていないようだ……。
「仕方が無い。対馬藩邸にでも行って時間を潰すとしようか…」
今日の会合では、“祇園祭の前の風の強い日を狙って御所に火を放つ。
その混乱に乗じて中川宮朝彦親王を幽閉し、一橋慶喜・松平容保らを暗殺。
そして、孝明天皇を長州へ連れ去る”
という計画の細部を話し合うつもりだ。
これもすべて幕府を倒す為の一つでも言おうか。
だが……私はあまり乗り気ではない。
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