2102人が本棚に入れています
本棚に追加
(ただでさえ、あの古高くん(古高俊太郎)が新撰組の奴らに捕らわれたというのに……。
この計画が、新撰組にでも漏れてしまうなどということを判断すべきなのだが……)
「その上、なぜ池田屋なのだろうか……」
池田屋は旅館だ。
酒を飲みながらの会合など、無神経にもほどがある。
(古高くんをどのように助けようか、いや、もう彼はもう……いや、とにかく彼を助ける方法も会合で話し合わなければ…)
なかなかいい案が浮かばない。
対馬藩邸へと続く道のりを歩いていると、それは突然のことだった。
「ん?あれはなんだ?」
人気のない所で一瞬光を発しているのが見えた。
光っていた所に行くと、そこには異国の服をきた娘が倒れていた。
「君、大丈夫かい?」
「………………」
返事はない。
生きているが、意識を失っていた。
「………………」
(一体、この娘はどこから来たのだろうか。服装から考えて一番可能性が高いのはイギリスだろうか…)
その少女のは、まるで御伽噺にでてきそうなくらい美しい顔立ちをしていた。
だが、このあたりで見かける女性より細く、飢えてしまっているのではないかと心配した。
「とにかく、このまま放っておくことはできない」
あたりを見回すと、休める所は甘味処しか見当たらなかった。
甘味処は女性がよく立ち入ることが多い。
(仕方が無い…。ちょうどいつもお客様がくる度に買いに来ている店だ。少し、世話になろうか)
私は彼女をおぶって甘味処へむかった。
最初のコメントを投稿しよう!