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「あら、木戸はん。どないしはったん?」
「あぁ、すいません。少し休ませてもらえませんか?」
「へぇ。木戸はんのお願いやったら~…。あら?そちらのお嬢さんどないしはったん?えらい珍妙な格好してはんね」
「さっきちょっとありまして……」
「こちらへどうぞ~」
「ありがとうございます」
甘味処の奥の部屋に案内され、
彼女を横に寝かせた。
「一体彼女は何者なんだろうか」
(やはり、イギリスからやって来たのだろうか。いや、もしかすると間者かもしれない。こんな小娘をか?まったく…異国の考えることはわからないことばかりだ)
彼女の様子を見ているが、まったく気がつく気配はなかった。
「………………」
(それにしても、この娘の近くに落ちていた袋……のようなもの。あの中には一体なにが入っているのだろうか。まさか、武器か!?)
その袋を眺めれば眺めるほど、怪しく感じる。
彼女の物だろうと思い、持ってきてしまったが、もしこれに刀…いや、銃が入っているならば…
「…………………」
彼女は異国の間者なのであろう。
まだ、彼女は起きない。
ならば……
「仕方が無い…少し拝見させてもらおう」
私は、彼女が持っていた黒い袋を開けようとした。
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