2102人が本棚に入れています
本棚に追加
だがしかし…
「むっ!?」
袋を開けようともなかなか開かない。
開け方がわからない。
銀色の線が、袋を開けまいと張り付いたようになっている。
「困ったな…」
これじゃあ、この娘のことを調べられない。
ますますこの娘が怪しく感じる。
その時だった。
「んっ…」
娘が気がついたようだった。
このまま気がつかれては私のしようとした事がばれてしまう。
私は彼女の方へ近づき、声をかけた。
「大丈夫ですか?しっかりしてください!」
「うっ……う……ん……」
声に反応しているから、彼女の身は安全なのだろう。
私は彼女の顔を覗き込んだ。
「どこかケガは無いかい?」
「え!?あっ……すいません!」
今の状態を察したのか、急に起き上がった。
「あっ、そんなに急に起き上がって大丈夫かい?」
「だっ大丈夫です!!」
そう言って彼女は顔を真っ赤にしていた。
人気のない所で倒れていたが故、風邪でも引いてしまったのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!