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「あの……ここはどこなんですか?」
「あなたこそ、どうして着物を着ているんですか?」
「あの……すいませんが……今は何年ですか?」
彼女は起きるなり様々な質問をする。
(日本語を話しているから、日本人なのか……?)
しかし、何か様子がおかしい。
私が質問に答えるたびに驚き、そしてどこか切ない顔をするのだ。
「~~!!あ~もぅ!袋です!黒い袋みませんでした?」
「黒い袋……?もしかして、これのことかな?」
「あっ…私のカバン…!!」
娘は私の手から“かばん”と呼ばれる袋を奪い取り、四角い板を取り出した。
(やはり…何か特殊な開け方をしている。やっぱり彼女は…)
「何だい?それは……。」
「携帯電話です!」
「けいたいでんわ?」
「これで、遠くの人達と連絡をとることが出来るんです!」
(なっ……!!文ではなくその四角い板で……。やはり、異国の……!!)
私は彼女が持つカラクリに興味を持った。
私はそのような物を見たことがない。
彼女はその板を押したり、耳に当てたりしていた。
何かを操作するように…
(やはり……彼女は怪しい人物だ)
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