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学校に遅れないように、話しながら歩き始める。
私はまだ息を整え終わらないまま。
七海は気にせずに何時もの質問を私に喰らわすのだった。
「で、今日の待ち合わせ遅刻の理由は?」
「えーっと……寝坊したの……か、な?」
「”したの……か、な?”じゃなくて、”しました”だよね?」
「はい……!寝坊しました!!すいません!」
七海は呆れて担任の先生のような口調で私に話しかけて前に進む。
遅れて来た私に
「はい、それで?」
「昨日の夜……じゃなかった。今日の夜中……三時頃まで本を読んでました!」
「ほうほう……、何の本なのかな?」
「え?教科書」
バンッ
七海の鞄が私の顔に激突。
「いっ……たぁ…!」
「あんたバカぁ?どれだけ勉強好きなのよ!」
「別に好きなわけじゃないよ!ただ、流れを楽しんでるだけなの」
「流れ?」
「そう!例えば…昨日読んでいたのは日本史だったから…ほら、幕末とかさ、名を残した有名人がどの様にして日本を現代へと導かせて行ったとかね~」
「うわぁぁ…そんな考え、櫻ぐらいしか思わないよ!数学とかそんな流れなんて考えられないし~!」
あ~嫌だーー!と言って七海は頭を抱えた。
そんなことはお構いなしに私は話を続ける。
「数学はね、応用問題でも結局は基本問題で使っていた公式を使っていくだけなのよ!覚えてる?一年生の時にやった正弦定理とか加法定理とか…」
「あぁー!もう朝から勉強の話なんてしないで~!学校行ってからも授業で勉強なのに~!また遅刻になっちゃうよ?」
「そっそれはそうかも…」
七海に言われたとおり、私が原因で今にも遅刻しそうな時間だった。
私たちはいつも通りに走って学校へむかった。
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