千年樹の導き

4/10
前へ
/1074ページ
次へ
でも急いでいたのもつかの間。 急に七海はピタッと走るのをやめて立ち止まった。 「…あれ?」 「ん?どうしたの、七海?」 「あんなところに神社なんてあったっけ?」 「え?どこ?」 七海が言うには、森の奥の方に鳥居が見えたらしい。 (あ、あった) 「本当だ、私も気づかなかった…」 「ねぇ、櫻。学校終わったら一緒に見にいかない?」 「うん、いいねー!」 私達は放課後、その神社を確かめることにした。 そして、再び学校へ向かおうと思ったが… (…ん? そう言えば……) 「ねぇ、七海…?」 「な~に?」 「今日って日本史の授業あったっけ?」 「あったよ~!ほんと、眠たくなるよ~」 「嘘っ!」 (教科書、ベッドの上に起きっぱなしにしてきちゃったかも…!!) 「どうかしたの?」 「教科書忘れてきたかもしんない!」 「………。はぁぁ……」 「どうしよう!私、取りに帰るね!!七海、先に言ってて!」 私はそう言い終えるとすぐさま家へと走りだした。
/1074ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2102人が本棚に入れています
本棚に追加