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「あぁ~あ、よかった。やっぱり家にあったんだ…」
教科書を探し出すのに、思ったより時間がかかってしまった。
ベッドの布団はぐちゃぐちゃになり、枕カバーまではずれてしまっていた。
帰ったら直そうと思い、日本史の教科書をもって再び学校へといく。
「結局、遅刻なんだもん。急ぐだけ無駄だよね~
」
(確か一時間目は体育のはず。
バスケやるはずだけど…まぁいっか。
着替えるの面倒だからなぁ…)
もう道には学生は居なかった。
走るのが無駄だと分かった私はトボトボと道を歩く。
「そういえば…この辺だっけ…?」
七海が見つけた神社の鳥居。
私も見つけた。
森の奥の方に赤いものが見えたから、きっと鳥居に違いない。
「ちょっとだけなら…いいよね?」
七海と放課後に行く約束していたけど、早く見に行きたいという好奇心は抑えられなかった。
私は学校をそっちのけで森の中へ入って行った。
「おっかしぃなぁ…たしかこっちの方だった気がするんだけどなぁ…」
森は思ったより広かった。
迷子になったかもしれない…。
森の木々の間から漏れている太陽の光が時々眩しくみえる。
「うーん…赤い鳥居…どこだろう…」
森の中をどんどん進んで行く。
どのくらいの間さまよっていたのだろうか、
「あっ…あった…!!」
神社は森の奥の方にあった。
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