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私は、梢ちゃんの言葉に一瞬思考が停止した。
でもすぐに頭が回り、言葉の意味を理解する。
「梢ちゃん……」
「さ!助けるんでしょ?大好きな桂さんを」
「………うん」
私は梢ちゃんに手をひかれ部屋へと戻った。
無事に小五郎さんを助けることができたら、今まではぐらかされた話を全て話してもらおう。
私が納得できるまで。
ちゃんと、最初から最後まで。
ちゃんと話してもらおう。
でも、どうしてだろう?
引っ張られているはずなのに梢ちゃんに触れられている気がしない。
手が冷たいからか、それとも私の感覚が鈍っているのか。
…………気のせい、だよね?
「早く考えようよ!!名付けて……桂さんを助け隊の作戦を!!」
「なんだよ、その変な名は」
「え?なんだか面白くない?じゃあ……桂さんを救出し隊?」
「馬鹿か!一緒じゃねえか」
「私としては助け隊の方が言いやすいし、いいと思うんだけどな~」
「梢……お前なぁ……。名前なんてどうでもいいんだよ!早くどんな策にするか考えるぞ!」
「鬼!土方さんの鬼!!」
土方さんと梢ちゃんが夫婦漫才をしている間、私はどうしようか必死に考えていた。
小五郎さんを助けたい。
私の気持ちはもうこれしかない。
なんとしてでも助けてみせる。
いつか、暖かな家庭を築ける日を夢みて………
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