愛のカタチ

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そこで、何か役に立つかもしれないと思って念のために京から持ってきたものがあった。 「これは……」 「ほう……これはすげえな」 「せ、セーラー服って言うんだけど……」 「西洋の服か?」 「ま、まぁそんな所ですかね」 この時代に来た時に来ていた、学校の制服。 私には一番これが走りやすいと思った。 「こ、こんな着物があるんだ!櫻ちゃん、何でも知ってるんだね」 「あ、あはは……」 流石に、未来から来た、だなんて言えない。 土方さんも梢ちゃんも、驚いた表情をしていた。 私は苦し紛れの言い訳をしてこのセーラー服の説明を濁し、準備の続きをしてゆく。 小五郎さんを助ける準備は、夕方を過ぎる頃には整っていた。
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