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強い風を感じる中で、私は何やら変な声を聞いた。
ー古(いにしえ)ノ選バレシ者ヨ……
その言葉はまるで、風が私に語りかけるようだった。
ー願ウガ良イ……
「だっ誰!?」
ハッ
怖くなって思わず目を開けてしまった。
なにも景色は変わってない。
お参りをしている途中だ。
「あれ……?さっきのはなんだったんだろう……?」
(私が選ばれしもの?
願う?何を?)
「確かに聴こえたはずなのに…何だったんだろう?」
さっきの風とは違い、優しい風が森の木をゆらし、木々はまた内緒話をしているみたいにゆれる。
でも、その木々の中で一番目立つのは、やはりこの神社にある千年樹だった。
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