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どの木々よりも大きいせいなのか、そうではないのか。
私はその千年樹に見とれていた。
ゆっくりと千年樹に向かって歩いていると、
キーンコーンカーンコーン……
と、かすかに学校のチャイムが聞こえた。
「あ……学校が始まっちゃった…。でも……もう少しだけ……少しだけでもこの千年樹を見ていたい……。」
(どうしてこの千年樹が気がかりなんだろう?
初めて見るはずなのに、懐かしいと感じる……。)
千年樹に触れてみると今度は樹から声が聞こえた。
ー僕ノ友達ヲ助ケテ……
その声はとても淋しそうで、私に何かを求めているようだった。
ー守ッテ……導イテ……
「えっ?」
ー今、ソナタヲ……
千年樹からの声を最後まで聞き取れないうちに、千年樹が突然光を発した。
「なっ……何!?なんなの、この光……!?!?」
それと同時に地面が揺れた。
突然の振動に私は驚き、千年樹の根っこにつまづいてしまった。
「きゃぁぁぁぁ!!」
(おっ…落ちるーーーーーー!!!!)
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