罠にかかった華

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「じゃあお龍、櫻さんの話を聞いちゃり」 「へぇ。わかりました」 龍馬さんと慎ちゃんはそそくさと部屋から出て行った。 部屋に残っているのは私とお龍さん。 「櫻はん…言うんやね。はて…ウチに何の相談がありますの?」 「あっ…はいっ!!あのっ…好きな人がいるんですけど…」 「あぁ…そのことは龍馬はんから聞きましたわ。それで、好きな人に恋仲の人でも…?」 「………………っ!!」 クスッと笑いながらお龍さんは話をする。 私はまだ何も言っていないのに、なぜそんなことがわかるんだろうか。 「まぁ、ウチに恋愛の話をするんは、これしかないですやろなぁ」 「えっ………?」 「ウチも同じやったさかい…。龍馬はんには…許婚がいてはったんよ」 「そっそれじゃあ…!!」 「そうや。今の櫻はんと同じ様なことや。そやから…気持ち、わかるさかいにな」 (龍馬さんに許婚!?そんな人、聞いたことないっ……!!でもっ…) 「あっ私は……もうすでに祝言を挙げた人なんです」 「……はて、龍馬はんから聞いた話とは違いますなぁ…。ウチはてっきり…」 「奥さんには……子どもを授かっているらしくて…」 「まぁ、ややこが!?それは…大変苦しいどすなぁ…」 「は、はぁ…」 友達ともこんな話をしたことがないので、緊張してしまう。 もし、現代でこんな話をするなら真っ先に七海のところへ行ったのに… 七海になら、なんでも言えた様な気がするのに… この時代に来てしまった以上、そんなのはもう叶うはずがない。 帰れるのかもわからないし、私自身…帰ることに諦めを感じていたから。 でももし帰れるならば、高杉さんとは…… もう、会えないのだろう。 「なんや、手本になるかと思てウチの話聞かしたろと思たけど…話は別やさかいなぁ…」 「えっ……!?それって…」 「ウチが、龍馬はんと恋仲になるまでの話やけど…。恥ずかしいし、もうええやろか…」 「いっいやっ……」 (それとこれとは話は別だもん!!) 「教えてください!!」 聞いて何かが変わるかもしれない。 そんな少しの期待があった。
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