運命のはじまり

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そんな事をしているうちに、一家を乗せた車は新居に着いた。 新居には引っ越し屋の中型トラックが止まっており、引っ越し屋は家の中へせっせと家具を運んでいた。 「ご苦労様です。よかったら差し入れでもどうぞ」 食器棚を運び終えて戻って来たばかりの男性スタッフ二人組に菓子折りを手渡しながら、母はそう言った。 お礼を言った後、菓子折りを他のスタッフに配りに家へ入った男性二人組をよそに、あたし達は近所に挨拶回りに行った。 慣れない長旅のせいか、メロディは疲れてぐったりしているようだった。 しかし、犬を飼っている家では、あたし達が話している間にその家の犬と仲良くしているようだった。 新居に荷物が全て運び込まれ、一家が挨拶回りを終えて戻って来た時には、昼を少し過ぎていた。
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