運命のはじまり

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「部長の犬に子供が生まれたんだけど、飼えるか」 父が突然切り出した。 家族揃って夕食を食べている時だ。 「子犬!?」 あたしと姉の目が輝いた。 「そんなの駄目に決まってるじゃない。餌代だってかかるし、ご近所に迷惑だし」 「でもなかなか引き取り手が見つからないんだ」 父は困った様子だった。母は犬を飼う事に反対しているようだった…… だがしかし、お母さん犬のおっぱいを吸っている5匹の子犬の写真を父に見せられた姉妹には、そんな事は関係なかった。 「飼おうよ。ねぇ、お願い」 「毎日世話もするし、散歩にも連れていくから」 姉妹が必死に懇願すると、さすがに母も折れたのか、 「飼ってもいいけど、世話はあなた達がするのよ」と言った。
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