狂廻録

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 涙が出ている  そう言われると同時に気付けば顔に手を添えていた  目尻から真っ直ぐ、下に向かって感じ取れる生ぬるい、濡れた感触  色は相変わらずだが“混沌”の襲撃以降白だけは判別可能となっていた  紅と白。これが今の僕の世界  奴を倒せばきっと元に……話が逸れた 「僕の事は気にしなくていいよ。レミリアはベルについて何か聞いてる?」 「私はさっき起きたし知るわけが無いからわざわざ来たんでしょ。」 「一応聞いただけ。」 「無駄は嫌いじゃないけれど今はいらないわ。」 「ゴメン。」  レミリアの視線がより鋭さを増す。でも、それ以上に言葉に焦りを感じる…… 「はぁ、その様子だとそっちも何も知らなそうね。」 「うん。……いや、」  ピクリ、とレミリアの小さな体が反応する。期待……とはちょっと違う、縋るような、そんな表情の変化が見てとれた 「夢を見た。何も見えない真っ暗な空間の中で誰かが『さようなら』って……」  そう言った途端に彼女はまた溜め息をついた。的外れな内容だったから呆れられたのだろうか 「それ、誰の言葉かよーく考えなさい。」  おまけにそれだけ言い残し出て行ってしまった  誰の言葉か…… 「……そんなの、決まってるじゃないか。」  レミリアが部屋に入ってくる直前に喉の所にまで出かかっていた仮説が……いや、答えがリフレインしていく  よく考えろ。この状況でそんなこと他に誰が言うのさ 「……行かなきゃ。」  絶対に連れて帰る。彼女を1人にさせてたまるか 「絶対に…!!」 .
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