狂廻録

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「………で、貴様はいつまで寝ているつもりだ?マリア。」  優闇が消え、少し間を空けてから、気絶している彼女に問い掛けた 「いつから気付いてたの?」 「最初からだ。あいつも気付いているだろうな。」 「むー……まぁいいわ。『不可視の加護(インビジブル・スキン)』を直すのに少し時間が欲しかったし。」 「不可視の加護…?」  能力でも使ったのだろう。手を使わずふわりと立ち上がったマリアは「んーっ」と背伸びをし、確かめるようにゆっくりと首を回した 「対空間干渉防護障壁。まぁ簡単に言うと私の能力に私が影響されないようにするものよ。」  それとは別にお肌の環境保護の役割もあったりするのだけれど、と付け足して言う。しかしこっちの方がメインに聞こえるのは気のせいだろうか 「気のせいよ。」 「うぐっ、しかし自分で自分を潰さないようにとは……貴様もまた面倒な能力を持ったものだな。それより、追わないのか?」 「別に、維持するのに神経使うわけでもないから平気よ。さてさて、貴方にも急かされてるしそろそろ追い掛けようかしら。一緒にいるつもりは無いけれど。」 「あいつの意思を尊重すると言う事か。」 「そんな所よ。いつも一緒だったけど、ここまでされたのは初めてだったもの。よっぽどの事なんでしょう?それならもう好きにやらせてあげたくなるわよ、浮気はダメだけど。」 「成る程な……」 「じゃ、もう行くわ。」 「1ついいか。」 「ん?」 「ちゃんと連れて帰って来い。いいな?」 「ふふっ、いってきます♪」 「……いってらっしゃい。」 .
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