一章 女の子

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とはいっても、やはり空腹感だけは、毎朝飽きずにおそってくるのだ だから、重い体をわざわざベッドから引き剥がし、身支度を整えて一階へ降りる 買いだめしておいたカップメンを掴取り、お湯を沸かすため台所に向かう ここ最近朝はこれしか食べてない 鍋に水道水を入れて、火にかけ待つこと約5分 その間にカップ面のビニールを取りふたを開け、中のかやくやらスープの元やらを取り出して、お湯を入れる準備をする 沸いたお湯を流し込み、蓋をして、これまた待つこと約3分 カップ面は手早く作れるが、出来上がるまでのこの暇な時間は、何かに熱中して過ぎる一時間とほぼ同時間に感じる。 ご主人の命令で「まて」をくらってる犬って、もしかしたらこんな心境なのかもしれないなと思いながらも、待つことしかできないのだ。
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