一章 女の子

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数分後 麺をたいらげ、スープを飲みほす。 「ふぅ…、」 学校が始まるまでまだ少し時間があるようだ。 テレビのリモコンにてを伸ばし、電源スイッチを押すと、何やら神妙な顔もちでニュースキャスターが喋っていた。 「たった今入りました情報です。」 スタッフから渡された紙を見ながら言う 「今から10年ほど前に打ち上げられた人工衛星、『アリス』が、本日中に日本領土内に落下するとの情報が気象庁から入りました。」 『アリス…?確かアリスって、父さんと母さんが研究に関わったやつだよな…。』 父と母はロケット開発の一任者で、この人工衛星『アリス』の開発にはかなり力をいれたらしい… 昔、子供の頃、自慢げに話していたのを思い出す。 キャスターは話を続ける。 「アリスには自動軌道修正機能『アリスシステム』が搭載されており、このシステムを制御しているAI機能が暴走、アリス本体に落下命令を下したとのことです。日本領土内に落下する確率は90%と高く、さらに内陸部へ落下の推定予測は75%となっており……」 『75%って…いくらなんでも高すぎだろ…』 「現在、気象庁は自衛隊と協力し、AIシステムの復旧作業を急ピッチで行っているているとの事です そして万が一に備え、自衛隊では 東京湾周辺に、迎撃用ミサイルの配置をおこなっており、現場では緊迫した空気が流れています。」
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