一章 女の子

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ベッドの真横に掛けられてある制服を手に取ると、自分が学生であることを嫌でも思い知らされる しばらく着ていなかったはずなのに、袖を通すとしっくりと馴染んできて、それとない安心感と義務感を感じてしまうのはやはり学生ならではだろう 「さて、準備完了っと」 新学期だから持ち物は筆記具ぐらいでいいはずだ それらを鞄に入れて一階に降りる いまだに学校から連絡は無いから、多分今日は有るのだろう 『仕方ない、行くとするか…』 鞄を肩に掛け、玄関の扉を開け、外へでて鍵を掛ける まだ曇り空ではあるが、さっきまで降っていた雨は止んでいた 向こうの空は晴れている きっと午後からは晴れるだろう
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