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十何年連れ添った仲で飼い主とペットというより、友人みたいに大切だとお母さんは言っていた。
だからだろうか。
お母さんはほむらが静かに屋根裏で息を引き取ったのを見た後も泣かなかった。
ほむらの冷たくなった体を撫でながら
「今までありがとう。ゆっくり寝てね」
と優しい笑顔で言ったのが印象的だった。
そして、お母さんの横に座っていたほむらもそれに安心したのか私に向かって鳴いてからスゥーッと消えて逝った。
多分、成仏したのだろう。
私は何故か分からない………………が、その時ほむらに『後は任せた』と言われたような気がした。
ちょっと嬉しかった。
だから、私はお母さんが猫を飼わなくなったことに何も言わなかった。
その代わり、ほむらに頼まれた?からには守ろうと決めて。
今に至るわけだけど。
本当に……私もあの二人を見て羨ましく思った。
いつかあんな関係になれる友人が欲しいなって……
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