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お弁当も食べ終わり、二人に別れを告げた。
空を見上げると澄んだ水色が広がっている。
そこへ、人影が横切った。
目を凝らしてみると、ジルクさんのようだ。
「いやあああああああ!!こないでぇえぇ!!」
「待ってよジルク!!早く私をモノにして!!」
ジルクさんの後に続き、肉に餓えた獣の如く颯爽と羽ばたくカミラさんが飛び去っていく。
「ふふっ…可愛いなぁ二人とも」
飛び回る影を見送り少し間を置いて足を踏み出すと、急に頭が締め付けられるような感覚に陥る。
私は額に手を添えると、更に強く痛みだし、キーーーっと耳鳴りがし出した。
―……だ……か―
耳鳴りに交じり何かが聞こえる。
「…何?」
―……か……だれ……―
声は遠くなり近くなり、距離が全く掴めない。
しゃがみこんで一生懸命耳を傾ける。
「誰?何なの?聞こえないよ!」
―……おねが………―
キィィィィーーー………
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