祟り寺の仔

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「か、神サマ?ララが?!」 「落ち着いて燐。 あくまで同じ名前って いうだけだから。 まぁ なぜサタンが私をそう呼んだのかは 謎なわけだけど」 あまりのことに声が裏返ってしまった 燐をララが宥める。 「何にせよ、サタンを倒せばわかることよ」 間。 「え? あれ??」 雪男がゆっくりと問う。 「サタンを倒す…? たしか自分が何なのか知るために 来たって…」 「それは通過点。本命はサタンを倒すこと」 言ってララは胸元で手を握りしめた。 殺気さえ感じるそのただならぬ様子に 雪男と燐は顔を見合わせる。 「言ったでしょう?サタンが院長先生に "憑依"したって。…この意味がわかる?」 「「!! あ……」」 そう。 魔神…サタンはあらゆる力を 統べた完璧な存在ゆえ、この物質界に 同等の物質が存在しない。 サタンと関わった物質はすぐに壊れて しまうのだ。 "憑依" それはすなわち死を意味する。 最強と謳われた聖騎士(パラディン)の 獅郎でさえ、憑依されたその身体は 長くはもたなかった。 「サタンは私の大切な人達を殺した。 絶対に赦さない」 そう話すララの瞳には強い光が宿っている。 言葉を失う燐と雪男を見てララはその場の どこか緊迫した空気を取り払うかのように パンッと手を合わせた。 「はいっ この話はこれでおしまい! それでは改めまして…ーーーーーー」 「「え…?」」 一度台詞をきり、俯くと、ララがふるふると 震えだす。 燐と雪男、2人が顔を見合わせ再びララを 見ると、本当に嬉しそうな笑みを 浮かべながら、飛びつくようにして 抱きついてくるところだった。 「会いたかった 燐、雪!!」
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